ホーム > コーチングサービス > コーチ21 桜井氏インタビュー

目標の達成には必ず行動が伴います。そこにただ目標があるだけではダメで、そこに向かって一歩踏み出さなければならない。その具体的な一歩を見つけてゆくのがコーチングなのです。
石川:近年コーチングがビジネスの世界で話題になっていますが、一方で正確にその意味が理解されていないように思います。コーチングについて、分かりやすく解説していただけますか?
桜井:コーチングとは一言で言うと、「相手の自発的な行動を促すコミュニケーションの技術」です。
コーチ(coach)という言葉はもともと「馬車」という意味を持っていて、そこから「人を乗せて、目的地まで送り届ける」という意味が派生しました。それが転じて、目標達成のサポートをする人のことを『コーチ』と呼ぶようになったのです。
コーチという言葉は、スポーツの世界では一般的な言葉ですが、このスポーツのコーチは、選手が目的を達成する為のサポートを行います。選手の目的というと、成績を上げる、試合に勝つ、高いパフォーマンスを発揮する、といったようなことになります。このような選手の目標を達成するのが、スポーツのコーチなわけです。
ではビジネスマンの場合はどうでしょうか?ビジネスマンの目標というと、営業の成績を上げる、仕事のパフォーマンスを上げる、モチベーションを高めるというように、スポーツの場合と基本は全く同じなんです。だったら、ビジネス上のコーチがいてもいいだろう、というのがビジネスでのコーチングのもともとの考え方です。
つまり、その人の目標達成のサポートをするのがコーチ、と言うことができると思います。水泳の北島選手に「チーム北島」がコーチとして付いているように、自分にもコーチを付けてもいいだろう、ということですね(笑)。
混同されることもあるのですが、「カウンセリング」と「コーチング」は全く違います。カウンセリングが治癒・治療、または癒しを目的とするのに対して、コーチングは行動志向です。目標の達成には必ず行動が伴います。そこにただ目標があるだけではダメで、そこに向かって一歩踏み出さなければならない。その具体的な一歩を見つけてゆくのがコーチングなのです。
石川:では、ビジネスマンがコーチングを受けるメリットについて、もう少し具体的に教えてください。
桜井:「思ったことが実現していくスピードが早い」ということですね。
普段頭の中で、「こうしたい、やんなきゃな」と漠然と思っていることを、1週間に1回、30分から1時間ぐらいのセッションの中で、コーチに対して言語化、つまり話してしまうんです。そうすると、次にそれを具現化する為にはどうしようか、何をやろうか、ということがそのセッションの中で話し合われるわけです。頭の中で悶々としていたことが、このプロセスで、はるかに手にとって見えるようになり、行動に移すことが出来るようになるんです。
例えば、多くの仕事があり、優先順位を付けようとした場合、自分ひとりだと、「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」で終わりがちですが、コーチと話すことで考えが整理でき、結果仕事のパフォーマンスが上がる、といったケースがよくあります。
これからコーチングスキルを学びたい、という方にもまずはコーチングを実際に受けてみることをお勧めします。ちなみに私自身も現在2人のコーチを雇っています。余談ですが、自分にコーチが付いていない、というコーチを私は信用していません(笑)。自分がコーチングを受けていて、コーチングに対するメリットがあるな、という体験がないと、人に対してコーチは出来ないですよね?スキルを学ぶということは大切ですが、まずは体験し、実感する、ということが先にあると思います。
石川:最近、「SEのためのコーチング技術」の監修を手掛けられましたが、特に「SEのための」というタイトルで発行された背景を教えていただけますか?
桜井:「SEのためのコーチング技術」はマンガを多く使って、SEの方が実際にコーチングスキルをどのように使うか、ということを多くの実例をあげて解説しています。おかげさまで、多くの方から「分かりやすい」という評判をいただいています。
IT技術者は、ある程度スキルアップ、キャリアアップしていくと、リーダー/マネージャーとしてマネージメント、リーダーシップを発揮しなければいけなくなります。そんな時にコーチングスキルは、マネージメント能力に加えて必須のスキルだと考えています。
SEという職種自体、お客様が何を望んでいるかという要件を完全に聞きださなければいけなかったり、開発現場ではチームをうまくまとめ、プロジェクトを成功に導いていく、という職務です。そういった場面で、コーチンクスキルというものは非常に有効だろうと思います。もしかすると他の職種より大事なものかも知れませんね。
石川:リーベルでは、転職された方に対して、2ヶ月間無料でコーチングを受けるサービスを提供していますが、転職者がコーチングを受けると、効果としてはどんな事が期待されるでしょうか?
桜井:まず、転職に成功された方は、転職すること自体が大きな目標であり、それを達成されたわけですが、今度はその会社で自分は何をしていくのか、というところをもう一回、自分の中で物語を作らなければいけません。その物語は、新しい環境の中で自分のモチベーションを維持していくのにすごく重要になります。
新しい環境に慣れたり、新たな自分の目標を立てて、それを実行していこうとする段階で、コーチングを受けることは大変有効だと思います。
石川:転職してコーチングを受けるタイミングは入社してからどれぐらいがいいのでしょうか?入社直後からではなく、何か課題が出た時に、と考える人が多く、そのうち業務が忙しくなってしまいコーチングが受けられない、という方も多いのですが・・・。
桜井:私は最初に受けたほうがいいと思います。新しい会社ある程度やってみて、問題が起きたから、課題ができたから受ける、という考えもあるでしょうが、これは「受け身」だと思うんです。そうではなくて、自分がこの会社でどういう位置を占めたいのか、どういう仕事をしていきたいのか、というように「能動的・戦略的」にコーチングを受けたほうが効果は上がると思います。
石川:なるほど。「受身ではなく能動的に」ですね。今企業が求めている人材も、このような方ですね。本日はありがとうございました。
桜井:こちらこそ、ありがとうございました。

(株)コーチ21 取締役社長
桜井 一紀氏
日本大学大学院史学専攻修士過程修了。
東京都公立中学校の社会科講師として勤務後、コミュニケーション研修の講師を10年間務める。 1997年にコーチ21、2000年に非営利特定活動法人日本コーチ協会の設立に参画。企業及び学校等の教育関係に対するコーチング研修、講演を多数行う。
国際コーチ連盟、財団法人生涯学習財団の各団体による認定コーチ。現在、産能短期大学講師、日本コーチ協会専務理事、(株)コーチ21取締役社長。
著書に「"結果"を出す部下をつくるコーチング術」(青春出版社)、監修に「奇跡のコーチング術」(VTR、日経BP社)、「SEのためのコーチング技術」(オーム社)等がある。
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