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偶発を生かすキャリア論
キャリア設計について、年齢層や業務に関して、例えばエンジニアはどのようにキャリア形成、開発されるべきか、というようなキャリア論が多くの団体や書籍で語られています。
それは指針としては大変大事なことと思います。しかし、それを絶対化して無理にそれに当てはめようとしたり、その枠から自分が外れたら未来がない、というような考え方は好ましくないと考えます。
キャリア論で有名なジョン・クルンボルツ博士は、『計画された偶発性』という概念を提唱しています。これは従来のキャリア形成はこうあるべき、という理論ではなく、キャリアはあらかじめ決められるものというよりは、偶然に起こる出来事を吸収し、それを生かしてキャリアを形成していくという考え方です。その偶然を必然に変える能力(学習)が大事である、という考え方です。
それは、会社・仕事の10年先は予測しがたいということです。
例えばインターネットの世界では、1995年はマイクロソフトの『Internet Explorer』と『Yahoo!』が登場した年です。楽天の設立は1997年です。この十数年でネットの社会は大きく変化しました。この変化を予測して設立された会社は無数にあり、そしてその大多数の会社は消え去り、一部の会社は大きな企業へと変身を遂げたのです。
3年先はある程度の範囲で予測できるでしょう。しかし、5年、10年先はどのように変化するか、ということを正確に予測することは極めて困難です。
例えば、私自身、機械屋として大手電気メーカに入社し、その後まもなく希望でソフトへとシフトし、最終的にはエンジニアから商品企画、事業企画へと部門・仕事が変化していきました。当然求められる能力はエンジニアと商品企画ではまったく異なります。
エンジニアの時代は所属している事業が無くなるという事、すなわち事業撤退を二度経験しています。その1つは、米国でのシェアNo1をとりながら、あっという間に撤退に追い込まれました。事業撤退ということは、当然その多くの社員は別の部門に配転となります。問題はその事業撤退後、個人がどのように生きていけるかということです。
大変乱暴ですが、その後2つのタイプに分けられます。1つは、その部門では非常に能力を発揮し評価されていても、その仕事が無くなった瞬間次の部門では能力が発揮できない人。もう1つのタイプは、道は異なっても新しい部門で、さらに生き生きとして働き、能力も最大に発揮していける人です。
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